硬質ガラスペンとは

末永く楽しく使ってもらいたい

その一心から硬質硝子にこだわり、日々精進し技を磨いた結果、美しい輝きを放つ硬質ガラスペンを創出しました。

ガラスペンの作り方

硬質ガラスとは一般的に耐熱ガラスとも言われ、コーヒーのサイフォンにも使用される程耐熱性が高く、 加工する場合には軟質ガラスの倍以上の温度が必要なたいへん硬いガラスです。 硬質ガラスペンは、耐熱性、耐薬品性、耐磨耗性に優れ、従来のガラスペンの難点であった、ペン先の磨耗を防ぎます。

ガラスペンは明治三十五年に日本で開発され、その後海外にも輸出されるようになり、世界中で愛されたものです。 その当時はペン先にカゼイン樹脂(ラクト)というガラスに近いものを使用し、軸には竹などが使われていました。 筆記具として重宝され完成度も高いレベルにあったのですが、樹脂である以上ペン先の摩耗や破損からメンテナンスや買い替えが必要でした。 そこで菅清風は、素材を細工が難しい『硬質ガラス』にこだわり、研究に研究を重ねた結果、一般的なガラスペンと比べ、 丈夫でペン先が減らず、万年筆に劣らない滑らかな書き味を実現する硬質ガラスペンの開発に挑み、 1996年ついにペン先から軸まで全てが硬質硝子製のガラスペン完成させました。

直径10~20mm、長さ約150~170mm。ペン先に溝がきざまれており、毛細管現象でこの溝にインクがたまるという仕組みで、当然硬質硝子製のためペン先の摩耗の心配がありません。 その性能は繊細なペン先加工技術によって、インク壷に一度つけると30数メートルの線が引け、約はがき一枚分の字が書けるほどのものです。

その製作工程とは、あらかじめペン先と軸を結合したものを用意し、まず軸の部分をバーナーで加熱します。 吹き上げる炎は千二百度、長さ300ミリ、直径10~20ミリの硬質ガラスを右にねじり、押し、左にねじりまた押す。 そのリズムが美しいらせん模様のダイヤ絞りを生み出します。 一般用でも数時間、高級品では半日以上この作業にかかります。次にペン先の加工、軸と同様過熱し、神経を集中して独特の螺旋を 描きながら引き延ばし、ガラスペンの命であるペン先を作ります。「寸分違わない工程でやり通すことが大切。」

選ばれた素材とこの加工技術によって、菅清風のガラスペンは宝石のようにキラキラと美しい輝きを放ちながら、実用性にも優れた逸品として完成します。